トーナメントレポート

白浜育男がバーディー・フィニッシュで通算8アンダー・首位を死守。
1打差でD・J・ラッセルと萩原浩一が追走
大会ホストプロの青木功は3バーディー奪取でギャラリーを魅了

記者会見 第1日開幕 第1日 第2日 最終日

 2011年PGAシニアツアー今季最終戦「富士フイルム シニア チャンピオンシップ」の2日目は、前日首位タイに立った白浜育男が4バーディー・1ボギーの69をマーク。通算8アンダーにスコアを伸ばして、単独首位の座に就いた。1打差の2位には欧州シニアツアーからスポット参戦しているD・J・ラッセルと、伏兵の萩原浩一が並んだ。さらに1打差の通算6アンダー・4位には、初のシニア賞金王を狙う金鐘徳が前日の11位タイから急浮上。3年ぶりのシニアツアー優勝を目指す中嶋常幸が69をマークして20位タイから7位タイにジャンプアップし、優勝圏内に食い込んできた。舞台も役者も揃い、明日の大会最終日は熱い戦いが繰り広げられること必至だ。

富士フイルム選手権

 「毎日スコアをコツコツ積み上げて行くしかない」。前日、ホール攻略法と試合運びに関して、そう話していた白浜育男が、大会2日目も着実にスコアを伸ばした。アウトで2バーディーを奪い、14番ホールでもバーディーパットを沈めて首位街道をばく進。この日のホール難易度2位だった16番ホールをボギーとしたものの、前日同様に最終ホールでバーディーを奪取して69でフィニッシュ。通算8アンダーとして単独首位の座に就いた。

 「勝負は明日(大会最終日)と思ってプレーしていたので、結果はあまり考えていませんでした。(今季初優勝の)皇潤クラシックの時は5打差からの逆転でした。今回は最終日を首位で迎えるのですから、ものにしないといけない。頑張ってみたいです」と今季2勝目に向けての抱負を力強く言い切った。

 首位に1打差の2位タイに着けた萩原浩一は、前半で一時はボギーが先行したが、6、7、9番ホールでバーディーを奪い返し、スコアを2つ伸ばして折り返すことができた。後半は1バーディーで結局5バーディー・2ボギーの69でフィニッシュ。大会2日間60台の好スコアをマークして、自身初の大会最終日最終組スタートを決めた。

 欧州シニアツアーからスポット参戦しているD・J・ラッセルも通算7アンダーとして、明日の最終日は白浜、萩原とともに最終組で午前10時10分にティーオフする。

 69をマークして首位とは4打差の7位タイ・グループに加わったのは中嶋常幸。永久シード選手の意地を見せ、08年の日本シニアオープン以来にシニア5勝目を狙える位置に着けた。

 大会ホストプロの青木功は、スタート3ホール目で今大会初のバーディーを奪い、ギャラリーから大きな拍手を受けた。その後も2バーディーを奪取したものの、ボギーも叩いてしまい、73でホールアウト。通算7オーバー・55位タイ。「明日はもうちょっと青木功らしいゴルフができるといいね」と底力をみせる覚悟を口にした。




不慮の事故からの完全復活をアピールするため
最終日にビッグスコアを狙う中嶋常幸

富士フイルム選手権

 大会初日は1アンダー・20位タイとまずまずのスタートを切った日本タイトル8冠の中嶋常幸。シニアツアーでは日本シニアオープン3勝(05、06、08年)、日本プロシニア1勝(06年)と4勝はすべてメジャータイトル。しかし、08年に以降は未勝利が続き、さらには昨年オフに不慮の事故に遭遇してしまった。

 2010年1月18日。スキー合宿で訪れていた青森市で、車と車の間に右ふくらはぎ付近を挟まれる交通事故に遭い、全治2カ月の重傷を負ったのだ。懸命のリハビリのお陰もあってゴルフが出来る状態には戻った。しかし、右太もも裏からふくらはぎにかけて内出血が激しかったこともあり、未だに往年のスイングは取り戻せてはいない。

 それでも試合に臨む中嶋。レギュラーツアー参戦後の翌週に日本シニアオープン出場。そして、このツアー最終戦に出場したことで、3週連続のトーナメント出場は右脚への負担、疲労度は計り知れない。

 大会初日とは違って大会2日目は、スタートホールからの2連続バーディーでリーダーボードを駆け上る。8番ホールを終えた時点でスコアを3つ伸ばした中嶋は、追撃態勢に入ったように思われた。迎えた9番ホール・パー4。3番ウッドでのティーショットでフェアウエイを確実に捕らえ、ピンまで残り140ヤード。チャンスを迎えるかに思われたが9番アイアンでの2打目は大ダフリでグリーンに乗せるのがやっと。痛恨の3パットボギーに「あり得ない」と中嶋。後半は2バーディー・1ボギーにまとめ、69のスコアとしたが「もう2つ3つは伸ばせたと思う。3歩進んで2歩下がるラウンドだった」と悔しがった。

 「いろいろ考えても仕方ないけれど、ゴルフが出来るだけで喜ばなければいけないんだけれど、事故で足がちぎれそうになったんだし…。ラウンド後半になると(足が)突っ張る感じになって、デリケートなショットが打てなくなってしまう。その中で精一杯やっているよ」と自分を励ます言葉も口にした。

 しかし、悩んでも悔やんでも今季シニアツアーは残すところ最終日の18ホールのみ。「明日は4つ、5つは伸ばしたい。シニアは先に大きなスコアを出せば(後続の上位選手が)ビビるから。チャンスはある。とにかく大きなゴルフをしたい」と満身創痍ながら宣戦布告。そんな中嶋は明日、最終組の2組前でラウンドする。復活優勝をもたらすビッグスコアを楽しみにしたい。




熱き戦いに終止符を打つのは誰か?
頂点に立つのは誰か?
今季シニアツアーの総決算!だから、見逃せない!

富士フイルム選手権

 大会初日から首位を走り続ける白浜育男。36ホールを終了し、ボギーは2つ。安定したプレーで通算8アンダーにまでスコアを伸ばしている。「目標意識をしっかり持ってプレーしないと散漫になる。良い時はしっかり持ってやっている。だから、今回は充実している」とキッパリ言い切る。目標意識とはヘッドアップせずにスイングすること。基本に戻り、忠実なスイングを心がけることが、好スコアを生み出す原動力になっているというのだ。

 今季シニアツアーで初優勝を飾り、この最終戦を制したならレギュラーツアー時代に2度経験している年間2勝記録の3度目達成となる。シニア1勝目が逆転優勝だったが、今回は3日間首位の完全優勝に挑む。

 そんな白浜を1打差で追う無シード・シニアツアー未勝利の萩原浩一は、伏兵的存在だ。「(好位置に)びっくりしちゃいました。優勝争いをすることによって、いろいろな道が開けると思うので頑張ります」と無欲の勝利を狙う。萩原とともに1打差2位タイのJ・D・ラッセルは「プレーに集中した結果、うまくスコアキープが出来た。明日も挑戦するよ。これからも日本でプレーしたいからね」と意気込みを吐露している。

 首位まで4打差に9選手がひしめく最終日。中嶋の「シニアは先にビッグスコアを出すと(後続組の上位選手は)びびる」という試合展開が繰り広げられる可能性は十二分にある。

金鍾徳

 また、「富士フイルム シニア チャンピオンシップ」最終日は、今季シニアツアーの最終日でもある。今季の最終成績が決定することで、シニア賞金王も、さらには賞金ランキング30位者が手にする来季シード権も決まるのだ。

 現時点で賞金ランキング44位の萩原は、シード当確ラインと目される獲得賞金額300万円強をクリアーするためには、10位(賞金136万5000万円)以上の順位が最低条件。5位タイの藤池昇龍は賞金ランキング71位のため、単独5位以上の成績を収めないとシード権を獲得できないが、自力で掴むチャンスは十分に残されている。最終日での爆発的スコアで「一発シード」を目指す選手も少なくない。それだけに、出場選手の誰もが、一打でも縮めようといつも以上に熱いプレーを展開する。大会ホストプロの青木功は、大会2日目に3バーディを奪い、もしもノーボギーのラウンドならエージシュート(69)を達成出来るところだった。「ショットが良くなったので、このまま終わりたくはない」と最終日の大爆発を予感させる言葉を残している。

まさに今季の総決算となる一日なのだ。

 大会2日目の最終ホールでバーディーパットを沈めた金鐘徳は、右手の拳を握りしめ、何度もガッツポーズを取ってみせた。スコアを通算6アンダーとして、単独4位に浮上。シニア賞金王の座を争っている室田淳とは、3打差をつけたことを速報版で確認した。

 シニア賞金王争いも最終決戦。大会の勝負の行方以外にも様々なドラマが演じられる。最終18番ホール・パー5は難易度ランキング18位。イーグル奪取のシーンを観戦できる確率も非常に高い。カップインするまでゲームは終わらない。熱戦ドラマも終わらない。今季シニアツアー最終戦最終日は、だから見逃せない!

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