富士フイルム選手権2011年11月3日(木)4日(金)5日(土)開催コース:ザ・カントリークラブ 〒266-0004千葉県木更津市芽野七曲905
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2011年PGAシニアツアー今季最終戦「富士フイルム シニア チャンピオンシップ」が3日(祝)、幕を上げた。第4回目となる今回は、大会の舞台を千葉県木更津市のザ・カントリークラブ・ジャパン(6994ヤード、パー72)に移し、出場選手たちの磨き抜かれた技と熱き戦いがギャラリーを魅了する。大会初日は祝日だったこともあり、大勢のギャラリーが朝早くから詰めかけ、大きな歓声と拍手が幾度となく沸き上がっていた。

シニアツアー今季最終戦「富士フイルム シニア チャンピオンシップ」には、大会ホストプロの青木功をはじめ、日本タイトル8冠の中嶋常幸、ツアー通算30勝の実績を誇る倉本昌弘、3年ぶりに同大会に出場する尾崎直道の計4人の永久シード選手が出場。往年の名選手らが再びしのぎを削るとあって注目を集めていた。
大会初日は曇り、気温20.4℃、西北西の風1.9m/sと穏やかな天候(気象データは正午時点)の中、午前8時に第8組がスタート。この最終戦の結果によって今季シニアツアー賞金王をはじめ、賞金ランキング30位者までが手にする来季シード権も決まるだけに、選手たちの一打に掛ける思いは、いつも以上に強い。
大会初日に首位に立ったのは、ともに6バーディー・1ボギーの67をマークした白浜育男と、デービッド・J・ラッセル(イングランド)の二人。1打差の3位タイには萩原浩一、冨永浩、さらに1打差の5位タイには倉本昌弘、湯原信光ら6人が着けた。
エージシュート達成を視野に入れた大会ホストプロの青木功はノーバーディ、6ボギーの6オーバー・62位タイに終わり、明日以降の奮起に期待が掛かる。前週の日本シニアオープンを制した室田淳は1アンダー・20位タイ、前回覇者の芹澤信雄は2アンダー・11位タイとまずまずのスタートを切った。

「これは有り難い!」。18番グリーンで歩測11歩の上りのバーディーパットが、カップに沈むと白浜育男は、思わずそう呟いた。このバーディーフィニッシュで5アンダーにスコアを伸ばし、この時点では単独首位に立ったのだ。
初日の白浜はショットが冴え、パットも面白いように決まった。スタートホールから2連続バーディーを奪い、7番ホールでも2・5メートルを沈めて3アンダーにスコアを伸ばす。続く8番ホールではティーショットが木に当たる不運とリカバリーショットのミスもあってボギーとしたが、その後は危なげないプレーでパーをキープ。14番ホール・パー5ではピンまで残り84ヤードの3打目をカップ20センチにピタリと止めて楽々バーディー。17番ホールでも2・5メートルの上りのラインをしっかり沈め、4アンダーとして18番ホールを迎える。
スピン量を減らし、強い球を打つことを目指しているうちに、目標方向よりも右を向いてしまうアドレスに陥り、ダウンスイングでは上体のターンが性急になってショットを左方向に曲げてしまうことが多々あった。それに気づいて、「自分では(目標方向よりも)左に向くくらいの感じで構えることで、スクエアにアドレスが取れるように調整したんです」と白浜。タフなコースセッティングだった大会前週の日本シニアオープン最終日に、ようやくアンダーパー(71)のスコアをマーク。好スコアに自信を取り戻して臨んだ今大会で、初日から好スタートを切りご満悦だ。
「ピンに対して(ショット)ラインを出さなければ攻められない。そんなセッティングで、しかも試合で結果を出せた自信は大きい。ショットの打ち出しが狙いどおりだったし、パットもショット同様に定めたラインにボールを乗せられました」と白浜。去年の夏まで、パットの引っかけミスが少なくなかったが、センターシャフトのパターと出合ってミスパットが激減したのだという。「ショットと同じで、パットも打ち出し方向が安定してきたんです」。練習ラウンド時点で、好スコアを出しづらいコースと察知し、1ラウンドで「コツコツとスコアを伸ばして行くしかない」と考えていた。しかし、その思いとは違って1ラウンドで5つものスコアを伸ばしたのは嬉しい誤算か。最終ホールでの10メートル近いパットが決まって「これは有り難い」と口にしたのも頷ける。残り2日も「コツコツとバーディーを積み上げて」白浜は皇潤クラシックに続く年間2勝目を飾る胸算用だ。

大会ホストプロの青木功をはじめ、中嶋常幸、倉本昌弘に加えて、今大会にはもう一人の永久シード選手である尾崎直道が米チャンピオンズツアーから帰国参戦。3年ぶりに4選手が出場するとあって注目を集めている。
「アメリカは自分の中での最後のチャレンジだよ!とあがいている自分がいる。でも青木さんはよく戦っている。69歳だよ、一生懸命やっている」
今季チャンピオンズツアーでは賞金ランキング30位に及ばず、35位に終わり、守り続けてきたシード権を手放すことになった。来季は35位の実績で15試合に出場はできる。しかし米国撤退の4文字も頭の中に浮かぶ。今後の自分の進むべき道が霞んでいる。それが尾崎の現在の心境だろう。モチベーションを上げることで、決心もできる。決断もつけられる。その引き金を求めて、3年ぶりの今大会出場を遂げた。
大会初日は、その青木と今季シニアツアー開幕戦で初勝利を飾っている羽川豊とのペアリングで「受ける刺激」は、いつもとはまた違っていたのだろう。
4、5番ホールで連続ボギーを叩いたものの、8、9番ホールで連続バーディーを奪い返し、イーブンパーでハーフターン。12番ホールでバーディーパットを決めて、1アンダーにスコアを伸ばした。しかし、15番ホールで悪夢が待ち受けていた。
「フェアウエイの右サイドにティーショットを運んでおこうと思って、3番ウッドで打ったら右にOB…悔しい。(チャンピオンズツアーに本格参戦していて)3日間のうち、初日の重要性をわかっているだけに悔しい」とアテスト後のインタビューで尾崎は、自分の不甲斐なさを責める場面もあった。 それでも18番ホールでバーディーを奪い、スコアをイーブンパーに戻すあたりは、米国でもまれ続けてきた底力とも言えるだろう。明日につながるバーディーフィニッシュ。
「今は落ち込む自分と、励ます自分を繰り返している。でも、この気持ちの変化も今は楽しい。まだ勝負に意識を持って挑まなければならない。勝負を意識したいし、刺激になることだから。精一杯やるだけです」と尾崎。3年前の08年大会では、2位の成績を収めている。自分を奮い立たせる薬は、それを上回ること。優勝が何よりもの特効薬になることを尾崎自身が一番知っている。それだけに、残り2日間で猛チャージを仕掛けてくるに違いない。